Statement
遺伝子治療は、先天性・後天性に関わらず、まだ治療法が存在しない多くの難治性疾患の根本的な治療薬となる大きな可能性を秘めています。しかし遺伝子治療は未だ発展途上であり、安全性や治療効果にまだまだ課題があります。また一方で、遺伝子治療を誰もが受けられる社会の実現には、遺伝子治療に用いる治療用遺伝子の運び屋(ベクター)を安価かつ高品質で大量に製造する技術が必要不可欠です。
私たちが開発した遺伝子治療用ベクターの無毒化技術、狙った細胞のみにがん治療用ウイルスを感染させる技術(受容体標的化技術)は、遺伝子治療・ウイルス療法の安全性・治療効果を大幅に向上させる革新的技術であり、患者様が安心して受けられ、かつ完治可能な遺伝子治療・ウイルス療法に繋がります。
さらに私たちのベクター生産性向上技術により、遺伝子治療の高額な医療費をはじめとする産業化における多くの課題が解消し、全ての患者様に遺伝子治療薬が行き届く世界を実現していきます。
私たちは、日本から世界中の皆様へ、安全かつ治療効果が高い遺伝子治療・ウイルス療法を提供し、多くの難病に苦しむ患者様・ご家族様を救える社会を目指します。
Expertise技術紹介
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無毒化HSVベクターシステム
ヘルペスウイルスを完全に無毒化する技術と、狙った細胞のみに遺伝子を導入する受容体標的化技術ヘルペスウイルス(HSV)ベクターは、大きな治療用遺伝子を運ぶことができる優れた能力と、神経への高い感染能力を備えた高性能の遺伝子治療用ベクターですが、最大の課題はその強い細胞毒性でした。私たちは、この課題を克服する世界初のHSV完全無毒化に成功し、極めて安全性が高いベクターを作出しました。この技術と狙った細胞のみに治療用の遺伝子を導入する受容体標的化技術を組み合わせることで、既存の遺伝子治療が抱えている多くの課題を克服した、革新的な標的化遺伝子治療プラットフォーム技術を提供します。
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腫瘍溶解性ウイルス療法
腫瘍溶解性ウイルスは、がん治療薬として大変注目されておりますが、既存薬の治療効果は依然として限定的です。私たちが開発した強化型標的化腫瘍溶解性HSVは、がん細胞に選択的に感染・増殖させる受容体標的化技術および腫瘍内での感染を強化する変異が同時に用いられており、従来型の腫瘍溶解性ウイルスより遥かに強力な抗腫瘍効果を発揮します。これまでのがん治療薬では達成できない、高い安全性と卓越した治療効果を兼ね備えたがん治療用ウイルス薬を提供します。
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AAVベクター生産性向上技術
アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターは、現在最も臨床応用が進むウイルスベクターですが、製造コストが高く、非常に高い薬価がその治療を受けられる方々の障壁となっています。この問題を解決するために、私たちは、AAVベクターの生産性を格段に向上可能な技術を開発しました。上市済みや新規のAAV遺伝子治療開発におけるベクター製造プロセスを強力にサポートする画期的技術を提供します。